応募総数写真61点、インスタグラム部門190点の応募があった「第39回しなの追分写真コンテスト」(2024年締切)の審査結果です。

審査委員長 丹地保尭先生の講評

今回も一般の部、子どもたちの部とともに新たにインスタ部門が新設され、多数の応募があったことは喜ばしい。手軽に写真に出会える時代になったからこそ、技術や視点も学びながらたくさん撮影して、感性や腕を磨いてもらいたい。

一般の部グランプリの今村舜匡さんの作品「天まで昇る」は、どんど焼きの煙のダイナミックさと後ろの浅間山、そして見ている人々の賑わいが感じられる躍動感溢れる作品。煙の色合いや斜めに流れる動きなど、その一瞬を見逃さなかった作者の意図が感じられ、グランプリに相応しい作品になっている。欲をいえば、真ん中に位置し過ぎている上部の松の枝をもう少し見せて位置に気を配ればなお立体感が出て良かった。

準グランプリの中井浩一さんの作品「どーぞ」は、道中行列の飴屋さんと子どものやりとりが聞こえるような微笑ましい写真。道中行列の写真も多数応募があったが、人と人との一瞬の関わりを見逃さず、後ろにお祭りの喧騒も背景として置きながら馬子唄道中行列のストーリーが感じられる温かな作品に仕上がった。

中学生の部グランプリの角張飛鳥さんの作品は、鮮やかな橙色のしなの鉄道の色合いと景色のバランスが美しく、大人顔負けの素晴らしい出来栄えである。電車と景色の写真は今回も多数の応募があったが、石碑をあしらったりと作者の視点がユニークで惹きつけられる写真であった。

インスタ部門は実に多数の応募があり、手軽に共有できる気軽さは現代のsns事情を反映している。しかしながら、その手軽さゆえにしっかり構図を決めたり作者の意図が感じられるというよりは、見映えや色合いに重きが置かれていて小さな画面の中で「映える」ことに意識がいっている。その点グランプリの太田芙美子さんの作品は、雪の日の人形に降り積もる雪を見逃さず、雪の軽井沢の自然環境ならではの作者の視点や感性が感じられる面白い作品であった。

ともすれば、追分の四季部門は浅間山の景色や村中の紅葉、馬子唄部門だと馬と行列や南京玉すだれの子どもたちなど、画一的などこかで見たような写真になりやすい。単に構図や色合いに気を配るだけでなく、印象的な何かを加えるなどの工夫をしたり、雲の形や花や葉のそよぎなどの自然物やその瞬間にしか捉えられないものを切り取るなど、撮影者の感性や意図が表現されると写真はぐっと面白くなる。単なる美しい景色や楽しそうな人々を撮影するだけでは、作品というより記録写真や説明写真の域にとどまってしまう。

写真というものは、撮影者その人の五感で感じるものや、その人らしい工夫や意図が感じられた方が見る人の心に届くものだ。その風景景色をどう見たのか、そこにどんなイメージをもってそれを伝えようとするのか。普段から撮影する時に漫然とただ撮るのではなく、被写体がどう語りかけてきたかを作者の感性で捉えて多彩に表現できるよう心がけてみてはいかがだろう。

一般の部グランプリ
軽井沢町 今村舜匡
天まで昇る

一般の部 準グランプリ
軽井沢町 西村浩一
どーぞ

一般の部佳作
軽井沢町 土屋芳孝
夕焼けの列車

一般の部佳作
軽井沢町 遠山隆
水鏡

一般の部佳作
軽井沢町 吉川廣子
夏の追分原

一般の部佳作
軽井沢町 長尾容子
収穫と浅間山

一般の部佳作
軽井沢町 中井日出夫
夢中になって

中高生の部 グランプリ
東京都 角張飛鳥
追分を駆け抜ける115系電車

中高生の部 準グランプリ
軽井沢町 樋泉海
茜色に染まる大日向

Instagram部門

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敬称を略しました。

賞に対して受賞作が少ない部門については該当なしとなります。